今回は私自身の話を綴っていきたいと思います。
もともと料理好きを公言していましたが、最近になって料理について思うところがありまして・・・。
自分にとって料理とは何なのか?
ということについて向き合っていきたいと思います。
私が初めて料理をしたのは小学校高学年の頃です。
きっかけはレシピが載っている絵本のようなものを見て「美味しそう、作ってみたい!」と思ったことでした。
料理と同時にお菓子作りにも興味を持ち、当時は家にオーブンがなかったので何度も母にねだって買ってもらいました。
クッキーやケーキ、パイなども作り、中学生のときにはクラスメイトによく差し入れをしていました。
料理もお菓子作りも、みんなが「美味しい」と褒めてくれたので、とても楽しかったのを覚えています。
私が中学生になった頃から母が働き始めたので、自分の食事を作る機会も増えましたが、自分の食べたいものを好きなように作ることが出来たので苦には思っておらず、むしろ母がもともと料理が得意な人ではなかったので、正直なところ自分で作ったものの方が美味しく、すすんで料理を楽しんでいました。
「せっかく作るのであれば少しでも美味しいものが食べたい」という欲もあり、料理の腕前は人並みにはあったと思います。
あまり得意なものがない私ですが、唯一自信を持てたのが料理でした。
若い頃は純粋に料理を楽しんでいたように思います。
しかし、家族のために料理を作るようになってから、私の料理に対する思いに変化があらわれました。
自分一人のために作る料理とは違い、家族のために作る料理は別物なのだと思い知らされました。
自分の分だけなら好きなものを自由に、時には簡単に済ますことも出来る。
しかし、家族のために作るとなると様々な制限があります。
それぞれの好き嫌いを考慮し、栄養バランスを考え、彩りまでも気にしなければならない。
食材も被らないように心がけ、同じメニューが続かないように気を使い、スーパーで広告の品があればそれに合わせてメニューを考える。
これが毎日続くのです。
自分一人だけなら疲れている日などは「今日は卵かけご飯でいいや」と済ますことが出来ますが、家族がいるとそういうわけにはいきません。
仕事が忙しく疲れてどうしようもないときはお弁当などを買ってくることもありますが、なぜか料理を作れなかったことに対しての罪悪感が芽生えてしまうんですよね。
いつの間にか毎日の「献立」を考えて作ることに、苦痛を覚えてくるようになってしまいました。
料理を楽しんでいた頃と違い、家族のために料理をすることを「義務」と感じてしまうようになってしまい、そんなことを考えてしまう自分にもまた罪悪感を覚えました。
「料理が苦痛」というよりは「献立を考えるのが苦痛」なんですよね。
ですから自分がお酒を飲むときに、おつまみを作るのは楽しいと思えます。
料理自体が嫌いになったわけではないのです。
私と同じように「毎日の食事を作るのがつらい」と思っている人は多いのではないでしょうか?
よく「簡単なものでいいよ」なんて言われることもあると思いますが、正直「簡単とはいっても作るのと作らないのとでは大違い!」なんて作る側からすると思っちゃいますよね。
「簡単、というのならあなたが作ってよ」とも感じてしまいます。
私自身、最近では娘が成長したこともあり、自分で料理に対するハードルをかなり下げました。
具沢山のスープとご飯のみ、ということもしょっちゅうあります。
料理を苦痛と思いストレスを感じるくらいなら、作りたくないときはお弁当やパンを買ってきて済ませた方が精神衛生上良いのではないか? という考えに至りました。
こう思えるようになってから、ずいぶんと心が軽くなったような気がします。
言い方は悪いかもしれませんが、「料理と言う名の呪縛」から解き放たれた感覚です。
若い頃は純粋に楽しいと思っていた料理。
今は素直に心の底から「料理が好き」とは言い難いのですが、自分の余裕があるときに楽しむことにしました。
以上のように私のなかで「料理」への思いはいろいろと変化しました。
これからもどのように変わっていくかは分かりませんが、料理を嫌いにはなりたくありません。
心に余裕を持ちつつ、また純粋に料理を楽しめるときがくればいいな、と思っています。